はじめに
ふとしたときに、小学生だった頃の小さな失敗を思い出しました。
それは、学校で育てていた植木鉢を持ち帰る途中のこと。
わたしはその植木鉢を、うっかり手から落としてしまったのです。
割れた植木鉢を前に、どうしたらいいかわからず立ち尽くしてしまった小さなわたし。
恥ずかしさや怖さでいっぱいになって、誰にも言えず、その場から逃げるように帰った——
今でもそのときのことを、時々ふと思い出します。
でも今は、少し違った気持ちであのときの自分を見つめることができるようになりました。
小さな失敗と、逃げ出したあの日
その日は、確か晴れていて、わたしは一人で植木鉢を持って歩いていました。
小さな手で、少し重たい鉢を抱えて、家まで持って帰るつもりだったのに——
途中で手がすべって、ガシャーン!という大きな音を立てて、植木鉢は地面に砕けてしまいました。
周りには誰もいなかったけれど、わたしは心臓がバクバクして、顔が熱くなったのを覚えています。
誰かに見られたら恥ずかしい。怒られるかもしれない。どうしよう、どうしよう……
どうすることもできず、ただ植木鉢の破片を見つめたまま、しばらく立ち尽くしていました。
そして、結局、何もできないまま、その場から逃げるようにして家へ帰ったのでした。
あのときのわたしへ、今伝えたいこと
あのときのわたしは、きっととても怖かったんだと思います。
誰にも助けを求められず、どうすることもできず、ただ一生懸命だった。
今のわたしから見ると、「あのとき、ちゃんと怖がっていいんだよ」「逃げてもいいんだよ」って伝えてあげたい。
失敗することも、立ち止まることも、間違えることも、
どれもぜんぶ、そのときのわたしが精一杯生きていた証だったんだなと思います。
そして、その経験があったから、わたしは「失敗した誰か」にも、
そっと手を差し伸べられる人になれた気がします。
小さな経験が、未来の光になる
小さな失敗や、あのとき感じた逃げ出したい気持ちも、
すべてが今のわたしをつくってくれた大切な経験だったんだと、今は思えます。
きっと、誰の人生にも、あのときの小さな自分がいる。
そして、その子たちはちゃんと、今のあなたの力になってくれている。
もし、昔の自分を思い出して苦しくなることがあったら、
「あのときのわたし、よくがんばってたね」と、やさしく声をかけてあげてください。
あなたのすべての経験が、きっと未来の光になります🌟